お熱の時って冷やしたほうがいいの?暖めた方がいいの?

お熱の時によく聞かれる質問です。

 

そして最初に言ってしまうと、、、。

「明確な答えはないです。」

 

えぇ・・・。そんなぁ・・・。

 

とならないで下さい

 

僕はいつも外来でこう説明しています。

 

  • 「熱いのに汗をかいてなくて手足が冷たい、または寒くて震えている時はあっためてあげてください」

 

  • 「逆に汗をかいていて、布団をどけてしまう様な時は、汗を拭いて涼しくしてあげてください。」

 

風邪の熱って、上がったり下がったりしますよね??(※上がりっぱなしの時もありますが、その時は細菌感染も注意が必要です)

 

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風邪の熱は上下するんです・・・。

 

お熱はこの体温まで上げたい!!という「目的地」があるんです。

なので・・・。

 

寒がっている時は暖かく、熱がっている時は涼しめにしてあげましょう。

(熱の目的地に行けるよう、お手伝いするイメージです)

 

少し具体的な説明をしますと・・・。

 

あ!その前に!大前提として

「急な子どもの熱!大丈夫?大丈夫じゃない??」

の注意点を確認して下さいね(^^)

急いだ方がいいこともありますので!

 

<寒い時>

体温をあげる時には、筋肉を震えさせたり、肝臓からのエネルギー産生の力を使って体温を上げていきます。

 

熱に限らず寒い時に体が震えたり顎がガチガチしますよね?あれもそういう事なんです。

子どもの場合震えが強すぎて「ん?これって痙攣かな?」と慌てて救急車を呼ぶ方もいらっしゃいます。(震えている時に、意識があって目線があって、受け答えができれば痙攣ではないので安心してくださいね!)

 

そんな時は暖めてあげれば良いんです。

具体的には、お布団をしっかり被せて温めてあげましょう。

それが一番の対応と考えています。

体がついて行かないので急ぎすぎは禁物です

 

えーっと。じゃあお風呂はどうなんですかね??

 

これも良く聞かれます。最近ではテレビで「熱の時のお風呂はオッケー!」なるコメントをしている番組をチラホラ見かけます。

 

ただ、子どもの場合って熱を上げるのに

あのちっさな筋肉とあの余力の少ない肝臓

必死に熱をあげているんです。

 

そこでお風呂に入れるとどうでしょう?

お風呂上がり、例えしっかり拭いたとしても、体表に付着した水分は気化します。

子どもは体重当たりの体表面積は広いのでどうしても気化熱で体温が下がります。

 

結局、お風呂上がりの体温はアップダウンに繋がって体力を消耗してしまうんですね。

なので頭を洗うとか、汗をかいて拭いてあげる時に体を暖かいタオルで拭いてあげる

などしてあげて下さい(^^)

 

<汗をかいている時>

熱の目的地が低くなった時です。

このタイミングって結構お子さんたちは元気な時が多いです。

 

そんな時は拭いてあげて、お洋服を着替えさせましょう。

そして少しだけ薄着をするなどして涼しくしてあげましょう。

 

汗は熱を下げるためにかきます。

気化熱を利用するためです。

 

じゃあ、なんでわざわざ汗をかいているのに拭くの?

 

汗をかくって思いのほかエネルギーがいるんですね。

そして思いのほか熱が下がりすぎてしまう。

なので涼しくして、汗を拭いて体温が下がりすぎないようにしてあげましょう

 

あと水分はこまめに取りましょうね(^^)

 

水が蒸発すると熱を奪うんですね。

よく夏に、お店の前でお水を撒いている方がいますよね??

あれも気化熱で涼しくしているんです。

 

 

という事で冷やした方がいいの?暖めた方がいいの?

について書かせていただきました!!

 

急な子どもの熱!大丈夫?大丈夫じゃない??

ついさっきまで元気よく哺乳していたのに・・・

ついさっきまでニコニコ手足をバタバタ機嫌が良かったのに・・・

ついさっきまで元気に走り回っていたのに・・・

 

急に飲みが悪くなったり

急に機嫌が悪くなったり

 

抱っこしたり、体に触れてみると・・・。「あれ?熱い??」

熱を測ると「ん・・・?38.7℃!?」

 

慣れていても子どもの熱って不安になりますよね。

親なら不安になって当然です。

 

病院に行こうかな・・・?

様子見れるかな?

この症状で受診するのって大丈夫かな??

 

と受診されるご家族は気を遣って受診してくれます。

でも安心のための受診は何も悪くないですからね。

心配しないでください(^ ^)

 

さて、では

大丈夫なお熱と大丈夫ではないお熱

 

どういう風に見分けたらいいでしょう?

 

ここにお熱の時に受診すべき状態を挙げておきます。

 

・3ヶ月未満のお熱

・哺乳できない。飲めない。

・長引く熱。

・ぐったりしている。

・体を起こせない。抱っこしづらい。

・目線が合わない。目がうつろで声かけに反応が鈍い。

・熱以外の症状が辛い。(嘔吐、咳、息苦しそう)

・何よりも心配。

・熱だけでなく、皮膚が赤いとか、手足が腫れていて痛みがある時。

 

特に3ヶ月までの赤ちゃんなら、熱があって本当に怖い感染症だったとしても

ニコニコしていることがあります(本当に怖い・・・。)

 

なのでその時は必ず受診しましょう!

例え、予防接種の副反応だと思ったとしても診てもらってください。

 

3ヶ月を超えてくると熱が出て調子が悪いと

機嫌が悪くなったり、哺乳が落ちたりします。なのでその時は必ず受診してください。

またまだ小さいので2、3日でも熱が長引いたりする時は相談しましょう。

大きくなってきたら、機嫌も良くて水分も摂取できていたら3, 4日は熱を待ってもいいですが、消耗してきたらそれも受診のタイミングです。

 

子どものお熱に関しては書き始めるとかなり多くなりますので

注意点だけまずは載せておきます。

 

最後に、、、。

 

僕は常々感じていますがお母さんの違和感って本当に大事です。

「なんか変だな・・・。」ということを

小児科の先生に不安として伝えましょう。

 

そうすることで

お母さんも安心できますし、

熱の我が子に対する経験値が上がります。

医師はその不安と向き合うことで、自分自身の安心にもつなげられるんです。

 

ではでは! また更新しますのでお待ちください( ^ω^ )ノ